その仕訳、税務調査で指摘されます|ファクタリングの正しい勘定科目と会計処理【経理担当者向け】

ファクタリングの会計

この記事はこんな経営者様・経理ご担当者様におすすめです

  • ファクタリングを初めて使い、仕訳の方法がわからない経理担当者
  • 2社間と3社間で仕訳が変わると聞いたが、何がどう違うのかわからない方
  • 手数料の勘定科目をどう処理すればいいか迷っている方
  • freee・弥生での実際の入力方法を確認したい方

編集長からのメッセージ

「ファクタリングの仕訳、どうすればいいですか?」という質問を、相談者の経理担当者からよく受けます。正直に言うと、仕訳を間違えたままにしている会社は多いです。特に手数料の処理と、3社間の「預り金」の扱いで誤りが出やすい。今回は税務調査で指摘されないための正しい処理方法を、freee・弥生の入力例も含めて解説します。

目次

ファクタリングの会計処理の基本|まず「売却」と「借入」の違いを理解する

ファクタリングは会計上「売掛金の売却」です。銀行借入(負債)ではありません。この前提を理解していないと、仕訳の科目選択で迷います。

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項目ファクタリング銀行借入
会計上の性質資産の売却(売掛金→現金)負債の増加(借入金)
貸借対照表への影響負債に計上されない負債が増える
手数料の処理売上債権売却損(費用)支払利息(費用)
返済義務なしあり

▶︎ ファクタリングの仕組み・メリット・デメリットを基礎から確認する

【2社間ファクタリング】の仕訳方法

2社間ファクタリングは、自社とファクタリング会社の2者間で完結します。売掛先(取引先)への通知は不要です。仕訳のポイントは3つのタイミングで処理が発生することです。

Step1:ファクタリング会社から入金されたとき

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借方金額貸方金額
普通預金92万円売掛金100万円
売上債権売却損8万円

※手数料8%の場合。手数料部分を「売上債権売却損」として費用計上します。

Step2:売掛先から自社口座に入金されたとき(2社間特有)

2社間の場合、売掛先はファクタリングを知らないため、通常通り自社口座に入金してきます。この入金はファクタリング会社に送金する義務があるため「預り金」で処理します。

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借方金額貸方金額
普通預金100万円預り金100万円

Step3:ファクタリング会社に送金したとき

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借方金額貸方金額
預り金100万円普通預金100万円

担当コンサルタントの判断メモ:
「2社間で一番多い間違いは”預り金”を使わないこと」

Step2の入金を「売上」や「雑収入」で処理してしまうケースが非常に多いです。売掛金はStep1で既に売却済みのため、Step2の入金は自社の収益ではありません。「預り金」で処理しないと、税務調査で二重計上を指摘される原因になります。

コンサルタント

【3社間ファクタリング】の仕訳方法

3社間ファクタリングは、売掛先にも通知・承諾を得た上で行う取引です。売掛先は直接ファクタリング会社に支払うため、2社間と比べて仕訳が少なくシンプルです。

Step1:ファクタリング会社から入金されたとき

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借方金額貸方金額
普通預金94万円売掛金100万円
売上債権売却損6万円

※手数料6%の場合。3社間は売掛先への通知が必要な代わりに、手数料が2社間より低くなる傾向があります。

3社間では売掛先がファクタリング会社に直接支払うため、Step2(預り金処理)は不要です。これが2社間と3社間の仕訳上の最大の違いです。

▶︎ 2社間・3社間の違いを詳しく確認する|2社間vs3社間 完全比較

手数料の勘定科目|「売上債権売却損」が正解

ファクタリングの手数料は「売上債権売却損」または「売掛債権売却損」で処理します。「支払手数料」や「支払利息」は誤りです。

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勘定科目正誤理由
売上債権売却損✅ 正解売掛金(資産)を売却した際の損失として処理
売掛債権売却損✅ 正解同義。どちらを使っても問題なし
支払手数料❌ 誤りファクタリングは売却であり、サービスの手数料ではない
支払利息❌ 誤り借入ではないため利息の概念が適用されない

なお「売上債権売却損」は営業外費用として損益計算書に計上されます。消費税の扱いについては、ファクタリングの手数料は非課税取引です。消費税は課税されません。

担当コンサルタントの判断メモ:
「支払利息で処理している会社は今すぐ確認を」

「支払利息」で処理してしまうと、税務調査で「借入と同じ扱いをしているが、実態は売却では?」と指摘される可能性があります。また、負債計上していた場合はバランスシートの修正も必要になります。現在「支払利息」で処理している場合は、顧問税理士に確認することをお勧めします。

コンサルタント

freee・弥生での入力方法

freeeでの処理方法

freeeでは「取引」→「取引を登録」から仕訳を入力します。

【Step1】ファクタリング会社から入金時(100万円の売掛・手数料8%の場合)

  • 「収支」:支出(借方)
  • 「勘定科目」:普通預金(92万円)、売上債権売却損(8万円)
  • 「税区分」:売上債権売却損は「非課税仕入」を選択
  • 「取引先」:ファクタリング会社名

【Step2】売掛先から入金時(2社間のみ)

  • 「勘定科目」:普通預金(借方)/ 預り金(貸方)
  • 「取引先」:売掛先の会社名

弥生会計での処理方法

【Step1】ファクタリング会社から入金時

  • 「振替伝票」を使用
  • 借方:普通預金 92万円 / 売上債権売却損 8万円
  • 貸方:売掛金 100万円
  • 税区分:売上債権売却損は「課税対象外」を選択

消費税の扱い|ファクタリング手数料は非課税

ファクタリングの手数料は消費税法上「金融取引」に分類され、非課税取引です。消費税は課税されません。freeeでは「非課税仕入」、弥生では「課税対象外」を選択してください。

参考:国税庁|非課税となる取引(No.6201)

よくある間違いと注意点まとめ

  • ❌ 手数料を「支払利息」で処理:借入ではないため誤り。「売上債権売却損」が正解
  • ❌ 2社間で売掛先からの入金を「売上」で処理:売掛金は既に売却済みのため二重計上になる。「預り金」が正解
  • ❌ 手数料に消費税を計上する:ファクタリング手数料は非課税取引。消費税は不要
  • ❌ ファクタリングを「借入金」として貸借対照表に計上する:売却であり負債ではない。バランスシートへの影響なし

この記事のまとめ

  1. ファクタリングは「売掛金の売却」:借入ではないため負債計上不要。バランスシートへの影響なし。
  2. 手数料の勘定科目は「売上債権売却損」:「支払利息」「支払手数料」は誤り。消費税は非課税。
  3. 2社間は「預り金」の処理が必須:売掛先からの入金を「売上」や「雑収入」で処理すると二重計上になる。
  4. 3社間は仕訳がシンプル:売掛先がファクタリング会社に直接支払うため、預り金処理が不要。
  5. 不明点は顧問税理士に確認:処理方法に迷う場合は、顧問税理士に相談するのが最も確実。

▶︎ ファクタリングの基礎・仕組みから確認する

▶︎ 審査落ち後の資金調達手段を確認する|審査落ち総合ガイド

よくある質問(FAQ)

Q1. ファクタリングの手数料は経費として認められますか?

A1. 認められます。「売上債権売却損」として営業外費用に計上してください。ただし、消費税は非課税取引のため課税仕入れにはなりません。freeeでは「非課税仕入」、弥生では「課税対象外」を選択してください。

Q2. ファクタリングを使うと税務調査で問題になりますか?

A2. 正しく処理していれば問題になりません。ファクタリングは合法的な資金調達手段です。問題になるのは仕訳の誤り(手数料を支払利息で処理、売掛先からの入金を売上で処理など)です。本記事の正しい仕訳方法で処理してください。

Q3. 複数回ファクタリングを使った場合、まとめて仕訳できますか?

A3. 取引ごとに個別に仕訳するのが原則です。売掛先・金額・タイミングが異なるため、まとめて処理すると管理が複雑になります。月次の締め処理でまとめて確認する場合も、元の取引は1件ずつ記録してください。

編集長 坂井

この記事の監修:ビジネクションメディア 編集長・坂井

大手広告会社プランナー、出版社編集者を経て独立。自らベンチャー企業を立ち上げた際、売上はあるのに手元の現金が足りない「資金繰りの恐怖」を痛感。これまで累計3,511件以上の資金調達の悩みに向き合い、支援後の事業継続率98.1%という確かな実績を誇る。ファクタリングの会計処理・仕訳に関する相談も多数対応。

📗 私の自己紹介はコチラ 📢 坂井のX[@businection]

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