目次
はじめに(この記事でわかること)
「売上は立っているのに、手元の現金が足りない…」
「取引先の入金サイトが長く、資金繰りがいつも苦しい」
「急な支払いが重なり、今すぐ運転資金が必要になった」
中小企業の社長・経理責任者にとって、資金繰りの悩みは日常的に起こり得ます。特に、売掛金の入金を待つ間に支払いが先行すると、利益が出ていても資金が回らない(いわゆる黒字倒産リスク)につながるため注意が必要です。
この記事では、融資(借入)とは異なる資金調達の選択肢として利用される「ファクタリング」について、全体像をわかりやすく整理します。
- ファクタリングの基本的な仕組み
- 「2社間」と「3社間」の違いと選び方
- メリットと、知っておきたいデメリット・注意点
- 手数料率だけでなく「総コスト(手取り)」で判断する考え方
先に結論(要点)
- ファクタリングは、売掛債権(請求書)を売却して早期に現金化する方法です。
- 融資と比べて、条件が合えば資金化までが早い一方、手数料などのコストが発生します。
- 方式は主に、取引先に通知しないケースが多い2社間と、取引先の承諾が関わる3社間があります。
- 手数料相場の目安は、2社間8〜18%、3社間2〜9%(条件により異なります)。
- 比較のコツは、手数料率だけでなく、登記実費・振込手数料なども含めた総コスト(最終手取り)で判断することです。
- 契約前は、償還請求権(リコース)の有無など契約条項を必ず確認しましょう。
ファクタリングの仕組み(図解)
ファクタリングとは、企業が保有する「入金待ちの請求書(売掛債権)」をファクタリング会社に買い取ってもらい、支払期日より前に現金化する取引です。
一般に、商品・サービス提供後に請求しても、入金まで30〜60日以上かかることがあります。ファクタリングでは、この「将来お金を受け取る権利(売掛債権)」を売却し、必要なタイミングで運転資金を確保しやすくします。

※契約方式(2社間/3社間)により、売掛先への通知や回収フローは変わります。
2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの違い
ファクタリングには主に「2社間ファクタリング」と「3社間ファクタリング」があります。どちらが良い・悪いではなく、スピード・コスト・取引先対応など、優先順位で選ぶのが基本です。
- 2社間ファクタリング:利用者(あなたの会社)とファクタリング会社の間で契約が完結する形です。売掛先へ通知しない運用となるケースがあり、スピードを重視しやすい一方、条件によって手数料が高めになりやすい傾向があります。
- 3社間ファクタリング:売掛先の関与(通知・承諾等)が発生しやすく、回収リスクが下がる分、条件次第で手数料を抑えやすい傾向があります。一方で、売掛先の対応が必要になるため、資金化までの日数が延びる場合があります。
2社間/3社間の比較表
| 比較項目 | 2社間ファクタリング | 3社間ファクタリング |
|---|---|---|
| 関係者 | 利用者+ファクタリング会社 | 利用者+ファクタリング会社+売掛先 |
| 売掛先への通知/承諾 | 通知しない運用となるケースあり(契約による) | 通知・承諾が必要となるケースあり(契約による) |
| 入金スピードの目安 | 最短即日〜数日(目安) | 数日〜1〜2週間(目安) |
| 手数料の目安 | 8%〜18%(目安) | 2%〜9%(目安) |
| 登記等の手続き | 条件により必要となる場合がある | 条件により不要/簡素になる場合がある |
| 向いているケース | 取引先への配慮、スピード重視 | コスト重視、取引先協力が得られる |
※上記は目安です。売掛先の信用力、書類の充実度、入金サイト、契約条件などで変動します。
ファクタリングのメリット
ファクタリングには、資金繰り面で次のようなメリットがあります(ただし条件によります)。
- 資金化までが早い
条件が整えば比較的短期間で資金化でき、急な支払いに対応しやすいのが特徴です。 - 借入ではない整理になりやすい
ファクタリングは債権の売買契約として扱われることが多く、借入とは異なる位置づけになります。
※会計処理や契約の実態により取り扱いが変わる可能性があるため、必要に応じて顧問税理士等にも確認すると安心です。 - 審査では売掛先や取引実態が重視されやすい
申込企業単体の財務状況だけでなく、売掛先の信用力や証憑(契約書・納品・入金実績など)が重視される傾向があります。 - (ノンリコースの場合)貸し倒れリスクが移転する可能性
契約がノンリコース(償還請求権なし)の場合、売掛先の倒産等による未回収リスクの負担が誰にあるかが整理されます。
※実際のリスク負担は契約条項によるため、必ず確認が必要です。
デメリット・注意点
メリットがある一方で、ファクタリングは使い方を誤るとコスト負担が増える可能性があります。以下は事前に押さえておきたい注意点です。
- 手数料が発生し、融資より高めになることがある
特にスピード重視の2社間では、条件によって手数料が高めになりやすい傾向があります。短期の資金繰り対策として位置づけ、継続利用の是非は総コストで検討しましょう。 - 売掛債権の範囲内での資金化が基本
ファクタリングは売掛債権の売却が前提のため、原則として売掛金を超える資金を得る用途には向きにくいです。 - 契約条項(特に償還請求権)を確認しないとリスクが増える
「償還請求権あり(リコース)」の場合、売掛先が支払えないときに利用者側へ負担が戻る可能性があります。契約前に条項を読み、分からない点は確認しましょう。 - 手数料以外の費用を含めた“総コスト”で比較が必要
登記関連の実費、印紙代、振込手数料などが発生する場合があります。提示された手数料率だけで判断せず、最終手取り(総コスト)で比較するのが安全です。
見積りで確認したい「総コスト」チェック表
| チェック項目 | 内容・確認ポイント | 備考 |
|---|---|---|
| 手数料(%) | 率だけでなく、円換算して最終手取りで比較 | 条件で変動 |
| 手数料(円) | 「差し引かれる金額」を明確化 | 見積書で確認 |
| 登記関連(必要時) | 何のために必要か/実費か/金額 | 条件で発生 |
| 印紙代(必要時) | どの契約形態で発生するか | 条件で発生 |
| 振込手数料 | 誰が負担するか/回数は何回か | 会社で差 |
| その他費用 | 事務手数料・出張費など名目を確認 | 不明点は質問 |
向いているケース・向いていないケース
ファクタリングは万能ではありません。向き不向きの目安を整理します。
向いている可能性があるケース
- 急な支払いがあり、資金化までの時間を短縮したい
- 入金サイトが長く、売掛金の回収まで資金が持たない
- 売掛先の信用力が高く、証憑(契約書・納品・入金実績)が揃っている
- 費用を含めた総コストを理解した上で、短期の資金繰り対策として使いたい
向いていない可能性があるケース
- 時間に余裕があり、より低コストの手段(融資等)を検討できる
- 利益率が低く、手数料負担が資金繰りを圧迫しやすい
- 取引実態を裏付ける証憑が不足している/整理が難しい
- 継続的に頼らないと回らない構造で、根本改善が必要(資金繰り表の整備等)

利用の流れ(申込み〜入金まで)
ファクタリングの一般的な流れは次のとおりです(会社・契約方式により異なります)。
- 相談・申込み:Webフォームや電話で相談し、資金希望額・希望時期・売掛先情報などを共有
- 仮審査・見積り:請求書・入金実績などを提出し、条件の目安を確認
- 本審査・確認:追加書類提出、必要に応じて面談(オンライン含む)
- 契約:条項・費用内訳・入金条件を確認して締結(電子契約の場合も)
- 入金:合意した条件にもとづき振込
- 回収・精算(方式による):2社間では入金後に送金対応が必要となる場合があります
必要書類の優先度
| 優先度 | 書類 | 目的(何を確認するか) |
|---|---|---|
| 1 | 請求書 | 売掛債権の内容・金額・期日 |
| 2 | 入金実績(通帳コピー/入金明細) | 継続取引・回収実績の確認 |
| 3 | 契約書/発注書/注文書 | 取引実態の根拠 |
| 4 | 納品書/検収書 | 履行(納品/完了)の証明 |
| 5 | 本人確認書類(+必要に応じ登記簿等) | 契約手続き・本人性の確認 |
※必要書類はケースにより異なります。まずは「請求書」と「入金実績」を優先すると整理しやすいです。
問い合わせ前チェックリスト(10項目)
問い合わせ前に、次の10項目を整理しておくと相談がスムーズです。
- 対象の売掛先(会社名)を整理した
- 売掛金額(請求書の額面)を把握している
- 入金予定日(支払サイト)を把握している
- 請求書を提出できる
- 契約書/発注書/注文書など取引根拠を用意できる
- 納品/検収を示す資料(納品書/検収書等)がある
- 過去の入金実績(通帳/明細)を提出できる
- 希望入金日(いつまでに必要か)を決めた
- 2社間/3社間の希望(取引先通知の可否)を整理した
- 見積りで費用内訳・契約条項(償還請求権等)を確認する体制がある
無料診断(3分)で条件を整理
まずは無料診断(3分)で「条件の整理」だけでもOK
「自社の状況でファクタリングが選択肢になるか」「確認すべき条件は何か」は、売掛先・入金予定日・書類の有無を整理するだけでも見通しが立ちます。手数料率だけでなく、最終手取り・入金条件・費用内訳まで同じ土俵で確認しましょう。
お急ぎの方:03-6478-2263(平日9:00〜18:00)
よくある質問(FAQ)
Q1. ファクタリングとは何ですか?
売掛債権(請求書)を売却して、支払期日より前に現金化する取引です。方式(2社間/3社間)や条件により、手続き・費用・資金化までの時間は変わります。
Q2. 借入(融資)とどう違いますか?
融資はお金を借りて返済するのが基本です。一方、ファクタリングは債権の売買として整理されることが多く、手続きや審査の見られ方が異なります。実務上の取り扱いは契約内容や会計処理にも関係するため、必要に応じて専門家へ確認すると安心です。
Q3. 2社間と3社間はどちらがおすすめですか?
優先順位次第です。スピードや取引先への配慮を重視するなら2社間、コストを重視し取引先の協力が得られるなら3社間が検討対象になります。最終的には見積り条件で判断しましょう。
Q4. 手数料は何で決まりますか?
売掛先の信用力、入金サイト、書類の充実度、契約方式(2社間/3社間)、契約条件(償還請求権の有無等)、緊急度などで変動します。相場は目安として、2社間8〜18%、3社間2〜9%(条件により異なります)。
Q5. 必要書類は何を用意すればいいですか?
まずは請求書と入金実績(通帳/明細)を用意し、次に契約書/発注書、納品/検収資料を揃えるのが一般的です。必要書類は会社・案件により異なるため、事前に確認しましょう。
Q6. 取引先に知られずに利用できますか?
2社間では取引先に通知しない運用となるケースがありますが、契約内容や状況により扱いは変わります。取引先への通知・承諾の要否は、必ず契約前に確認してください。
まとめ
- ファクタリングは、売掛債権(請求書)を売却して早期に現金化する方法
- 2社間/3社間は、スピード・コスト・取引先対応の優先順位で選ぶ
- 手数料相場の目安は、2社間8〜18%、3社間2〜9%(条件により異なる)
- 比較は手数料率だけでなく、登記実費等も含めた総コスト(最終手取り)で判断
- 契約前に、償還請求権(リコース)の有無など条項を確認する

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